廃棄物処分場(イトムカ鉱業所)の見学に伺いました

分析系の津田瞳さんが、産業廃棄物処理プラントの見学(北海道北見市)について報告してくれました。


2024年2月22日、特別管理産業廃棄物の処分場である野村興産株式会社のイトムカ鉱業所へ、廃棄物処理の現地確認及び見学に環境科学センター教職員5名で伺いました。処理場は北海道北見市にあるため、天候を心配しながら真冬の北海道へ向かいました。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、事業者はその事業活動に伴って生じた廃棄物を自ら適正に処理する責任を有しています(排出事業者責任)。処理を外部委託した場合でも排出者に処理責任があり、適正に廃棄物が処理されているか確認する必要があります。排出事業者責任に伴う現地確認として、今回見学に伺いました。

野村興産株式会社は日本で唯一水銀廃棄物の処理・処分およびリサイクルを行っている企業で、本学の実験系固形廃棄物もここで処理されています。

まず、イトムカ鉱業所の経緯と処理工程を説明いただき、その後現場を見学しました。
イトムカ鉱業所は、かつて水銀の採掘が行われていた鉱山があった場所にあります。


イトムカ鉱山発祥の記念碑です。雪に埋もれています。


ヘレショフ炉の外観。6層構造になっており、上部から水銀蒸気が回収されます。

焼却炉はヘレショフ炉とロータリーキルンの2種類があり、水銀含有汚泥、蛍光灯から回収された水銀スラッジ、水銀温度計等の機器類はヘレショフ炉、電池類はロータリーキルンで焙焼処理され水銀が回収されています。回収された水銀は精製され、試薬や工業材料としてリサイクルされます。
その他の見学の資料は環境科学センターにございますので、ご興味のある方はお声がけください。


処理工場で実際に装置が動き、従業員の方が作業して廃棄物が処理されている様子を見学して、規模の大きさや作業者の存在を実感しました。
2月の北海道出張でしたが天候にも恵まれ、非常に意義のある見学となりました。
今後とも、適正な廃棄物処理のために環境科学センター業務に取り組んでまいります。