有機元素分析の研修に行きました

分析系の吉田綾です。
私はオープンファシリティセンター(COAF)の有機元素分析装置の管理と測定を担当しています。
この度、他大学の有機元素分析の現場を拝見する機会を頂きました。

 

〇京都大学化学研究所 元素分析室
日程:5月30日(火)
講師:平野敏子様

京都大学化学研究所は宇治キャンパスにあります。
こちらでは標準試料の使い方や、管理の方法について詳しく教えていただきました。

   

標準試料を活用すれば、装置の状態を判断することができ、測定結果が適切かどうかの指標にもなると教わりました。
また、充填剤と呼ばれる試薬の交換や充填についても教わり、今までやっていた方法と少し違っていることがわかりました。

   

私は装置に付属している取扱説明書を元に管理を行ってきましたが、20年以上前の情報なので、アップデートが必要だと感じました。
最新の有機元素分析装置も見せていただき、使い方の違いなどを知ることができました。

 

〇大阪大学産業科学研究所 総合解析センター
日程:5月31日(水)
講師:松崎剛様

大阪大学産業科学研究所は吹田キャンパスにあります。
今回の訪問では、測定に使う白金器具(白金ボート)の洗浄方法を教えていただくことが主な目的でした。

   

持参した器具を硫酸水素カリウムを使った洗浄方法で洗浄していただきました。
洗浄後は、黒い変色はほぼなくなり、白い汚れがあったものは金属光沢が復活していました。
今までの洗浄(硝酸洗浄)では効果が無かった汚れが落ちていて感動しました。
測定を妨害する元素が含まれるときの対処方法を教えていただいたり、装置のメンテナンスや測定の細かな相談にもご対応いただきました。

   

 

〇おわりに
今回は個人的にお願いして、平野様と松崎様に有機元素分析の知識や管理の方法をご教授いただきました。
貴重なお時間を頂き、心より感謝申し上げます。
私は有機元素分析の経験がまだまだ浅いため、学ぶべきことはたくさんあると実感しました。
今回の研修で教わったことを日常業務に活かし、有機元素分析をもっと研究に活用してもらえるよう努めたいと思います。