12/5(木)、9:30~16:30、専門技術研修*1(分析系)「筋肉痛には爪楊枝??~サリチル酸誘導体の合成と測定~」が開催されました。以下3箇所に渡った研修となり、大変充実した内容となりました。
以下、講師の小川奈津美さんよりコメントいただきました。
今回の研修は前回、前々回とは異なり、おうちでは難しい本格的な化学実験を企画しました。
テキストは、今回も予備実験を元にしたオリジナル版で、文章版と図説版の2種類を作成しました。
座学では、実験の背景、安全教育、反応機構、実験の手順、諸注意を説明しました。その後、実験室に移動しての合成実験、測定室ではNMR測定と解析を行い、さながら応用化学系の専門実験のような流れでした。
合成実験の終盤には湿布薬独特の香りがあちこちから漂い、反応前後の変化を視覚だけではなく、嗅覚でも感じることができたかと思います。
NMR測定の結果、全員のスペクトルにサリチル酸メチル由来の信号が現れており、合成は無事成功していました。
実験室を借りての化学実験を体験して欲しい、機器分析も雰囲気を知って欲しいと、私の思いつきを詰め込んだ研修になったので、1日で行うにはハードな内容だったかなと少し反省しています。
しかし、怪我や事故もなく、参加者の皆さんも楽しんでいただけたようでしたので、良かったです。
管理者の先生方には、研修のために実験室や装置の利用を快諾していただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
*1高度技術支援センターの技術職員が専門分野の枠を超えてお互いの技術を学ぶ研修。
*2NMR(Nuclear Magnetic Resonance 核磁気共鳴)とは、原子核を磁場の中に置いたときに起こる共鳴現象を観測することで、物質の分子構造や物性を解析する手法です。また、一般的にその装置(NMR測定装置)のことも指します。