こんにちは。
今回は生物資源フィールド科学教育研究センターで研究用としての植物栽培をしていますのでご報告いたします。
昨年の後半から当センターの資源昆虫学研究分野の秋野順治 教授の依頼で昆虫のエサとなる植物の栽培を始めました。
まずは、聞きなれないコマツナギ(図.1)という植物でした。ミヤマシジミ(蝶)のエサとなる植物です。
ちょうど秋に結実して採種できる時期になっていたので、熟した種子をできるだけ集めました。鞘ごと集めて天日乾燥しました。弾けて種子が飛び出していることに気付かず、新聞紙に広げていると種子が散らばっているので不思議に思っていると、見ている間に次々に種子が弾けて飛んでいました。そんな手探り状態からのスタートでした。
採種の次は苗作りをしました。3月になってセルトレーに播種(種まき)しました(図.2)。はじめは無選別で播種しましたが、発芽率が悪かった(1%)ので2回目の播種では水で選別して、沈んだ種子だけを再度セルトレーに播種しました。今度は30%の発芽率でした。4月になってジフィーポット(植替え時にそのまま植えられるので、ポットを外す手間が掛からない)に播種したものは、ほぼ全て発芽しました。コマツナギに悪戦苦闘している最中に次の植物の依頼がありました。ツキミソウです。ちょうどコマツナギの2回目の播種時に種子を受取ったので、コマツナギと同時にセルトレーに播種しました。両方ともに順調に生育しました。
次は定植です。5月16日にコマツナギは飼育棟の北側に定植しました(図.7)。ツキミソウの一部は本館横にプランターに植え(5月18日)、観察しやすいようにしました(図.8)。ツキミソウはタカラダニが花に集まってくるということでした。
コマツナギ、ツキミソウともに無事に栽培できたので、このあとは、自然と広がって行くのを期待して、毎年、研究に用いられるようになれば良いと思います。










