大学分析者の会を開催しました

11月21日(木)に大学分析者の会を開催しました。
大学分析者の会は、近畿地区の大学で有機元素分析に携わっている人が集まり、情報交換等を行う勉強会です。
現在、五つの大学の技術職員等が所属しています。

今回は第47回の開催で、13名(本学からの2名含む)の参加となりました。
大学分析者の会を本学で開催するのは今回が初めてです。
毎回、自由討論の他に開催校の世話人が講演会や見学会を企画しています。
そこで今回は、本学の有機元素分析装置*1が所属するオープンファシリティセンター(COAF)の見学と共用機器管理についてご紹介することにしました。

まずは高度技術支援センター(ATEC)分析系系長の小川奈津美さんから、COAFに対する技術支援についてご紹介いただきました。

大学分析者の会で技術職員組織の話をするのは初めてのことだったそうで、大変好評でした!

その後、COAFの装置見学を行いました。
有機元素分析装置の前では活発な議論が交わされました。

きれい~!とお褒め頂いた有機元素分析装置ヤナコMT-5。勤続年数もうすぐ30年。現役で頑張っています。

オートサンプラーが動く様子をご覧いただきました。オートサンプラーをオートではなくテストモード(手動)で動かしています。

有機元素分析に欠かせないミクロ天秤*2についても情報交換を行いました。

意外にも、注目の的だったのはこちらの天秤台。 劣悪な環境にもかかわらず、全く秤量値がぶれることなく優秀です。「オーダーメイド?自作?」と聞かれましたが、かなり昔からあるので出自は不明です。

見学の最後はみなさんおなじみのNMR*3でした。

肌寒い日だったので、NMR室の中は快適な温度環境で落ち着きました。

見学の後は自由討論ということで、最近受けた珍しい依頼(蟻の頭など)やお困りごとの話をしました。
少人数、顔見知りだけの会ということでリラックスした雰囲気で情報交換できました。

大学分析者の会を本学で開催するにあたり、たくさんの方々にご協力いただき心より感謝申し上げます。
ご参加いただいた皆様からも「楽しかった!」「京都っていいね!」とのお声を頂戴し嬉しく思います。
今回得た経験を日常業務の中に活かしていきたいと思います。

 


*1 有機元素分析装置は、物質に含まれる炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、硫黄(S)、酸素(O)といった元素の含有量を測定する装置です。有機化合物の構造決定等に用いられ、有機化学、生物、環境などの分野で使用されています。

*2 ミクロ天秤とは、最小表示が1μg(1/1000mg)の電子天秤です。

*3 NMR(Nuclear Magnetic Resonance 核磁気共鳴)とは、原子核を磁場の中に置いたときに起こる共鳴現象を観測することで、物質の分子構造や物性を解析する手法です。また、一般的にその装置(NMR測定装置)のことも指します。